2022年12月11日 喜び叫べ、喜び踊れ 森永憲治牧師

(要約)神様は必ず人の不正を許さず裁きます。しかしその裁きは滅びではなく再生に主眼が置かれます。そのため神様はイエス様を救い主として天から送り出されました。真の神様は愛です。

(説教本文)ゼファニアが活躍したのは、ヨシア王の宗教改革が行なわれた時代であり、その活動とその宗教改革には相当の関連があると思われます。ゼファニア書の冒頭部分1章1節に「ユダの王アモンの子ヨシアの時代に、クシの子ゼファニアに臨んだ主の言葉」とあるとおりです。

まず、そのヨシア王の3代前のヒゼキア王から見てみましょう。皆さんご存じのイザヤ書の預言者イザヤが活躍したのは、このヒゼキヤ王の時代でした。皆さんお時間あるときに是非列王記下18章以下のイザヤの活躍をご覧下さい。ヒゼキヤ王の在位は紀元前715年または716年から687年です。聖書で登場するユダ王国の王様はたいてい悪くしかかかれていませんが、このヒゼキア王様は聖書で立派な王様とされる数少ない王様の一人でした。列王記下18章1~5節、

>18:01イスラエルの王、エラの子ホシェアの治世第三年に、ユダの王アハズの子ヒゼキヤが王となった。 18:02彼は二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで王位にあった。その母は名をアビといい、ゼカルヤの娘であった。 18:03彼は、父祖ダビデが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行い、 18:04聖なる高台を取り除き、石柱を打ち壊し、アシェラ像を切り倒し、モーセの造った青銅の蛇を打ち砕いた。イスラエルの人々は、このころまでこれをネフシュタンと呼んで、これに香をたいていたからである。 18:05彼はイスラエルの神、主に依り頼んだ。その後ユダのすべての王の中で彼のような王はなく、また彼の前にもなかった。

ヒゼキヤ王の次の王様はマナセ王です。ヒゼキヤ王が神様の前で大変立派だったのに反し、このマナセはまたまたそれまでの悪い王様に倣ってしまいます。列王記21章21節から見てみます。

>20:21ヒゼキヤは先祖と共に眠りにつき、その子マナセがヒゼキヤに代わって王となった。 21:01マナセは十二歳で王となり、五十五年間エルサレムで王位にあった。その母は名をヘフツィ・バと言った。 21:02彼は主がイスラエルの人々の前から追い払われた諸国の民の忌むべき慣習に倣い、主の目に悪とされることを行った。 21:03彼は父ヒゼキヤが廃した聖なる高台を再建し、イスラエルの王アハブが行ったようにバアルの祭壇を築き、アシェラ像を造った。更に彼は天の万象の前にひれ伏し、これに仕えた。 21:04主はかつて、「エルサレムにわたしの名を置く」と言われたが、その主の神殿の中に彼は異教の祭壇を築いた。 21:05彼はまた、主の神殿の二つの庭に天の万象のための祭壇を築いた。 21:06彼は自分の子に火の中を通らせ、占いやまじないを行い、口寄せや霊媒を用いるなど、主の目に悪とされることを数々行って主の怒りを招いた。 21:07彼はまたアシェラの彫像を造り、神殿に置いた。主はその神殿について、かつてダビデとその子ソロモンにこう仰せになった。「わたしはこの神殿に、イスラエルの全部族の中から選んだエルサレムに、とこしえにわたしの名を置く。 21:08もし彼らがわたしの命じるすべてのこと、すなわちわが僕モーセが彼らに授けたすべての律法を行うよう努めるなら、わたしはイスラエルをその先祖に与えた土地から二度と迷い出させない。」 21:09しかし彼らはこれに聞き従わず、マナセに惑わされて、主がイスラエルの人々の前で滅ぼされた諸国の民よりも更に悪い事を行った。

このマナセ王の次はその息子アモン王です。やっぱり悪い王様でした。列王記21章18~23節、

>21:18マナセは先祖と共に眠りにつき、自分の宮殿の庭園、すなわちウザの庭園に葬られた。その子アモンがマナセに代わって王となった。 21:19アモンは二十二歳で王となり、二年間エルサレムで王位にあった。その母は名をメシュレメトといい、ヨトバ出身のハルツの娘であった。 21:20彼は父マナセが行ったように、主の目に悪とされることを行った。 21:21父の歩んだ道をそのまま歩み、父が仕えた偶像に彼も仕え、その前にひれ伏し、 21:22先祖の神、主を捨て、主の道を歩まなかった。 21:23彼の家臣たちは謀反を起こし、この王を宮殿で殺害した。

このように、本日の預言者ゼファニヤが神様の言葉を預言するときの背景として、それまでの王様がどれもこれも真の神様を軽んじ、偶像礼拝に走り、世の中が乱れていた時代でした。

そこでヨシア王が登場します。在位:紀元前640年または紀元前641年から紀元前609年。このヨシア王は神様に立ち帰った王様でしたが、それは紀元前622年、神殿の改修工事の時に偶然に神様の言葉が書かれた巻物が見つかり、「これが本当の神様の言葉だったのか、これまでの神様をないがしろにした政治はとんでもない」ということで、それを元に宗教改革を断行しました。このヨシア王が国の中にたくさんあった偶像を徹底的に排除したところは、先ほどのイザヤの時代のヒゼキア王と似ています。列王記22章1~23章10節

>22:01ヨシヤは八歳で王となり、三十一年間エルサレムで王位にあった。その母は名をエディダといい、ボツカト出身のアダヤの娘であった。 22:02彼は主の目にかなう正しいことを行い、父祖ダビデの道をそのまま歩み、右にも左にもそれなかった。 22:03ヨシヤ王の治世第十八年に、王はメシュラムの孫でアツァルヤの子である書記官シャファンを主の神殿に遣わして言った。 22:04「大祭司ヒルキヤのもとに上り、主の神殿に納められた献金、すなわち入り口を守る者たちが民から集めたものを集計させなさい。 22:05それを主の神殿の責任を負っている工事担当者の手に渡し、更に神殿の破損を修理するために主の神殿にいる工事担当者に渡しなさい。 22:06すなわち職人、建築作業員、石工に渡し、神殿修理のための木材や切り石を買わせなさい。 22:07ただし、彼らは忠実に仕事をしているから、彼らに渡した金の監査は必要ではない。」 22:08そのとき大祭司ヒルキヤは書記官シャファンに、「わたしは主の神殿で律法の書を見つけました」と言った。ヒルキヤがその書をシャファンに渡したので、彼はそれを読んだ。 22:09書記官シャファンは王のもとに来て、王に報告した。「僕どもは神殿にあった献金を取り出して、主の神殿の責任を負っている工事担当者の手に渡しました。」 22:10更に書記官シャファンは王に、「祭司ヒルキヤがわたしに一つの書を渡しました」と告げ、王の前でその書を読み上げた。 22:11王はその律法の書の言葉を聞くと、衣を裂いた。 22:12王は祭司ヒルキヤ、シャファンの子アヒカム、ミカヤの子アクボル、書記官シャファン、王の家臣アサヤにこう命じた。 22:13「この見つかった書の言葉について、わたしのため、民のため、ユダ全体のために、主の御旨を尋ねに行け。我々の先祖がこの書の言葉に耳を傾けず、我々についてそこに記されたとおりにすべての事を行わなかったために、我々に向かって燃え上がった主の怒りは激しいからだ。」 22:14祭司ヒルキヤ、アヒカム、アクボル、シャファン、アサヤは女預言者フルダのもとに行った。彼女はハルハスの孫でティクワの子である衣装係シャルムの妻で、エルサレムのミシュネ地区に住んでいた。彼らが彼女に話し聞かせると、 22:15彼女は答えた。「イスラエルの神、主はこう言われる。『あなたたちをわたしのもとに遣わした者に言いなさい。 22:16主はこう言われる。見よ、わたしはユダの王が読んだこの書のすべての言葉のとおりに、この所とその住民に災いをくだす。 22:17彼らがわたしを捨て、他の神々に香をたき、自分たちの手で造ったすべてのものによってわたしを怒らせたために、わたしの怒りはこの所に向かって燃え上がり、消えることはない。 22:18主の心を尋ねるためにあなたたちを遣わしたユダの王にこう言いなさい。あなたが聞いた言葉について、イスラエルの神、主はこう言われる。 22:19わたしがこの所とその住民につき、それが荒れ果て呪われたものとなると言ったのを聞いて、あなたは心を痛め、主の前にへりくだり、衣を裂き、わたしの前で泣いたので、わたしはあなたの願いを聞き入れた、と主は言われる。 22:20それゆえ、見よ、わたしはあなたを先祖の数に加える。あなたは安らかに息を引き取って墓に葬られるであろう。わたしがこの所にくだす災いのどれも、その目で見ることがない。』」彼らはこれを王に報告した。 23:01そこで王は人を遣わして、ユダとエルサレムのすべての長老を自分のもとに集めた。 23:02王は、ユダのすべての人々、エルサレムのすべての住民、祭司と預言者、下の者から上の者まで、すべての民と共に主の神殿に上り、主の神殿で見つかった契約の書のすべての言葉を彼らに読み聞かせた。 23:03それから王は柱の傍らに立って、主の御前で契約を結び、主に従って歩み、心を尽くし、魂を尽くして主の戒めと定めと掟を守り、この書に記されているこの契約の言葉を実行することを誓った。民も皆、この契約に加わった。 23:04王は大祭司ヒルキヤと次席祭司たち、入り口を守る者たちに命じて、主の神殿からバアルやアシェラや天の万象のために造られた祭具類をすべて運び出させた。彼はそれをエルサレムの外、キドロンの野で焼き払わせ、その灰をベテルに持って行かせた。 23:05王はユダの諸王が立てて、ユダの町々やエルサレム周辺の聖なる高台で香をたかせてきた神官たち、またバアルや太陽、月、星座、天の万象に香をたく者たちを廃止した。 23:06彼はアシェラ像を主の神殿からエルサレムの外のキドロンの谷に運び出し、キドロンの谷で焼き、砕いて灰にし、その灰を民の共同墓地に振りまいた。 23:07彼は主の神殿の中にあった神殿男娼の家を取り壊した。そこは女たちがアシェラ像のために布を織っていたところでもあった。 23:08王はユダの町々から祭司をすべて呼び寄せ、ゲバからベエル・シェバに至るまでの祭司たちが香をたいていた聖なる高台を汚し、城門にあった聖なる高台をも取り壊した。これは町の長ヨシュアの門の入り口にあり、町の門を入る人の左側にあった。 23:09聖なる高台の祭司たちは、エルサレムの主の祭壇に上ることはなかったが、その兄弟たちにまじって酵母を入れないパンを食べた。 23:10王はベン・ヒノムの谷にあるトフェトを汚し、だれもモレクのために自分の息子、娘に火の中を通らせることのないようにした。

これがヨシアによる宗教改革ですが、このヨシアが宗教改革を行なった背景に、ゼファニアの預言があったと思われています。

ゼファニヤの預言では、ゼファニヤ書3章8節

>03:08それゆえ、お前たちはわたしが獲物に向かって
立ち上がる日を待つがよい、と主は言われる。なぜなら、わたしは諸国の民を集め
もろもろの王国を呼び寄せ
彼らの上に、憤りと
激しい怒りを注ぐことを定めたからだ。必ず、地上はくまなく
わたしの熱情の火に焼き尽くされる。

このように、諸国の民を焼き尽くすと神様は言われました。しかし大事なのはその次の9節で、その焼き尽くすのは滅亡ではなく、清めるのだとおっしゃいます。3章9~11節

>03:09その後、わたしは諸国の民に
清い唇を与える。彼らは皆、主の名を唱え
一つとなって主に仕える。
03:10クシュの川の向こうから
わたしを礼拝する者
かつてわたしが散らした民が
わたしのもとに献げ物を携えて来る。
03:11その日には、お前はもはや
わたしに背いて行った、いかなる悪事のゆえにも
辱められることはない。そのとき、わたしはお前のうちから
勝ち誇る兵士を追い払う。お前は、再びわが聖なる山で
驕り高ぶることはない。

ノアの洪水もそうですが、神様は必ず人の不正を許さず裁きます。しかしその裁きは滅びではなく再生に主眼が置かれます。本日の聖書箇所であるゼファニア書も、その背景であるユダの国が偶像崇拝で大変乱れていたことに対し、それを滅ぼすがしかしそれは再生、救いだと言うのです。そしてヨシア王によって、実際に宗教改革が行なわれました。

私達現代のクリスチャンは、このゼファニア書からも、改めて常にまことの神様に従うことを学びましょう。私達も例えクリスチャンでありいつも教会にきたとしても、それが形式だけであって、心が神様に向いていなく、自分勝手な信仰を持っていったとしたら、それは真の神様への信仰ではなく偶像崇拝に過ぎません。

このクリスマス、救い主であるイエス様こそ私達の王様であることを思いましょう。本日の聖書箇所を読んでそれを心に刻み、自分勝手な信仰ではなく、真の神様を心に迎えいれ、真の神様と共に人生を歩みましょう。真の神様は自分勝手な信仰ではありません、真の神様は愛です。3章17節、

>03:17お前の主なる神はお前のただ中におられ
勇士であって勝利を与えられる。主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」