2019年8月4日 平和聖日・大人と子ども共に守る礼拝 悪霊を追い出してください 牧師 吉岡喜人

オリンピックと戦争は、どちらも国同士の戦いです。戦争の目的は相手を傷つけたり殺すことですが、オリンピックは戦いを楽しむことが目的です。神を離れた人の心に悪霊が入り、戦争をけしかけるのです。

(説教本文) ルカによる福音書8章1節~3節

 皆さんはどんなスポーツが好きですか。野球が好きな人、サッカーが好きな人、テニスが好きな人もいますね。スポーツを楽しむには、ルールに従ってプレーしなければなりません。どんなスポーツにも必ずルールがあります。わたしはラクビーが大好きです。ラクビーは激しいスポーツです。ボールを奪うために、ボールを持っている選手にぶつかって、倒しても構いません。タックルといいます。だからと言って何をしてもよいと言うことではありません。タックルはしてもかまいませんが、首にタックルしてはいけません。ボールを持っていない選手にタックルしてはいけません。タックルされて倒れている選手を足で踏んではいけません。もちろん殴ってもいけません。そのようなことをしたら、選手は怪我をしてしまいます。怪我をしたらせっかくのスポーツが楽しくなくなってしまいます。

来年の今ごろには、東京を中心にオリンピックが行われますね。オリンピックは4年に1回行われます。 オリンピックはイエス様が生まれるより前のギリシアで始まりました。そのころ、ギリシアにあった小さな国同士で、戦争ばかりしていました。同じころ、イスラエルでも北と南に分かれて戦争ばかりしていました。この時代の戦争は、剣、槍、弓などを使って戦いました。戦争は、敵の兵士を倒し、殺します。そして、相手の国の土地や宝物を奪い取るのです。そのために兵士たち体を鍛え、戦いの練習をしていました。あまり戦争ばかりしていたので、たまには戦争をやめて、代わりに運動会を開くことになりました。ギリシアのいろいろな場所で運動会が行われましたが、4年に1回オリンピュアで行われる運動会が一番有名な運動会でした。選手は全員兵士です。兵士たちは槍を投げて誰が一番遠くに飛ばせるかを競ったり、取っ組み合いをして相手を倒す競技(レスリング)をしました。この運動会では、相手に勝とうとしますが、傷つけたり殺したりはしません。ルールに従って競技することを楽しんだのです。

それから3000年ほどたちました。その間にも、世界の国々は戦争ばかりしていました。フランスにクーベルタンと言う人がいました。クーベルタンさんは、昔のギリシアの運動会のように、いろいろな国の人が集まってスポーツ競技を行えば、世界の人々が仲良くなって戦争をしなくなるのではないか、と考え、スポーツ大会をしようと世界の国々に呼びかけました。スポーツ大会には、昔のギリシアで行われたオリンピュアの運動会から、オリンピックと名付けられ、昔と同じように4年に1度開くことになりました。

オリンピックも戦争も戦いですね。でもオリンピックの戦いでは、相手を傷つけたり殺したりはしません。同じ戦いでも、スポーツでは戦いを楽しむことができるのです。

オリンピックというすばらしい世界のスポーツ大会があるのに、地球の上ではいまも戦争がおこなわれています。人を殺したり、家やビルを壊します。

いまから80年ほど前のことです。地球上のほとんどの国が参加した大きな戦争がありました。日本も軍隊を外国に送って、たくさんの人を殺し、たくさんの家を壊しました。そして、日本の国も、爆弾や大砲でめちゃめちゃに壊され、たくさんの人が死にました。戦争の終わりのころには原子爆弾が広島と長崎に落とされ、長崎と広島の町はほとんど燃えたり、吹き飛ばされてしまいました。そこにいた人たちがたくさん死にました。大やけどをした人もたくさんいました。そして、原子爆弾から出た放射能で、今も苦しんでいる人がいます。

戦争は、必ず多くの人を傷つけ、苦しませます。戦争に勝った方も、傷つき、苦しみます。それなのになぜ人は戦争をするのでしょうか。

今日の聖書に、悪霊という言葉がでてきます。悪霊は、目には見えないけれども、大きな力をもっています。悪霊はわたしたちの心に悪い思いを送り込みます。悪霊は、わたしたちを病気にすることもできます。本当は、神様はわたしたちを良い者として造ってくださいました。でもわたしたちの心が神様から離れると、悪霊がわたしたちの心にさっと入り込んできて、わたしたちに悪いことをさせるのです。人が悪いことをするのは悪霊の仕業です。戦争も悪霊の仕業です。悪霊がわたしたちの心に入り込んで、戦争をしろ、戦争して相手をやっつけろ、相手のものを分捕れ、相手の国の人々を殺せ、と言うのです。でも人の心には善い心があって悪霊と闘います。ところが、悪霊は強いので、人の良い心が負けてしまい、戦争を始めてしまうのです。

では、どうしようもないのでしょうか。大丈夫です。イエス様が助けてくださいます。今日の聖書にはイエス様に悪霊を追い出していただいた女の人のことが書いてありました。その中の一人、マグダラのマリアさんは、7つもの悪霊に苦しめられていたのです。でもイエス様が悪霊を追い出してくださったのです。

悪霊の力は強いので、わたしたちだけでは負けてしまいます。そうすると悪い思いが心に生まれ、悪いことをしてしまうのです。悪霊に負けないためにはイエス様の応援が必要です。イエス様は神様の霊、聖霊をわたしたちのところに送ってくださり、悪霊を追い出してくださるのです。イエス様にお願いするには、お祈りをするのです。イエス様、わたしたちから悪霊を追い出し、神様の霊、聖霊で満たしてくださいとお祈りしましょう。